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EC04エンジンの吸気部分は、クランクケースリードバルブという方式です。これは、最もパワーバンドを広くとれる形式として、過去のWGPをはじめ、多くの市販スクーターからレーシングバイク、最近のカート用エンジンに採用されています。 このため、2ストロークエンジンのチューニングのセオリーのひとつして、リードバルブを樹脂製やカーボン製のバネとしての働きが強い、強化リードバルブに交換して高回転重視にするというものがあります。 12000rpm以上回るエンジンになると、この吹き返しが、12000rpm強ぐらいから起こりはじめ、13000rpmを超えるとそれ以上、混合気を吸い込めなくなってパワーが上がらなくなります。実際に、エアクリーナーを外してカートスタンドの上でエンジンを回してみると、12000rpm強ぐらいから、混合気が吹き返し、霧状の混合気がキャブレターから噴き出すのが確認できます。また、カートスタンド上で負荷のかからない状態で、混合気の吹き返しが起こりはじめた回転数から、スロットルを1/3程度戻すと、さらに回転が上がり、14000rpmぐらいまで回ってしまいます。これは、エンジンを壊すので、確認できたらすぐにスロットルを戻してください。また、カートを走行させて負荷がかかると、こんなには最高回転は伸びません。この現象からわかることは、フリクションロスさえ減らしてやれば、EC04の純正リードバルブの板バネとしての強度が13000rpm程度でパワーの上限を決めていて、CDI等の点火系によって最高回転数の上限が決まっているわけではない、ということです。また、負荷をかけずにスロットルを戻すと最高回転が上昇するということは、エンジンが要求する混合気の量よりも、純正のリードバルブがきちんと閉じなくなる限界のほうが低いからだと考えられます。つまり、何をやっても、リードバルブが純正品である以上、混合気の吹き返しが起こり始める13000rpm程度がEC04エンジンの最高回転数とパワーの限界だということです。 また、このクランクケースリードバルブというものは、板バネ状のリードバルブの開閉を利用しているので、かなりアバウトなものであることが知られています。KT100などのピストンバルブ形式などに比べると、クランクケース内への吸気がきちんと働かず、逆に、そのことが、エンジン回転数による吸気量の変動に対しても柔軟に対応できるので、パワーバンドが広くなります。そのような理由から、同じリードバルブを使っていたとしても、微妙にパワーの出方が変化し、最高回転数も変わってきます。それから、純正のリードバルブは鉄製の板バネですので、使用頻度があがるほど、バネとしての働きが低下してきます。カートフレームと同じで、いわゆるヤレが起こるということです。このヤレを見るのは、カートスタンド上でエアクリーナーを外してスロットルを全開にして、混合気の吹き返しが起こる回転数を見ることでわかります。リードバルブがヤレてくると11500rpmあたりから吹き返しの霧が目視できます。こうなっていたら、リードバルブを新品に交換してください。経験上、1年から2年程度でヤレがはっきり分かるようになります。 この混合気の吹き返しは、当然キャブレターにも影響を及ばし、標準かそれ以上にフロート室の油面が高いと、オーバーフローを起こして異常に燃料の減りが早くなったり、エアクリーナーに混合気内のエンジンオイルが付着したりします。このような現象を確認した場合は、リードバルブのヘタリを疑ってみると良いでしょう。また、油面を低く設定するほうがよく回るという根拠のない風評もありますが、この吹き返しの問題が影響している可能性が高いと思われます。本来、キャブレターのフロート室の油面は、横Gがかかっても、ちゃんとメインジェットがガソリンに浸かり、空気を吸い込まないで、メインジェットで想定されているガソリンがキチンと混合気として供給されるようにすることが正解です。もしも、吹き返しによるオーバーフロー対策をキャブレターで行うのであれば、油面を下げて、そのかわり、メインジェットがキチンとガソリンに浸かるように、メインジェットとネジの間に1mm程度の細いワッシャーをかましてメインジェットの位置を下げるという方法が有効です。一般的なレギュレーションでは、この部分についての言及が無い場合が多いので、ワッシャーの取り付けについては事前にオーガナイザーに確認していただく必要があります。
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