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親子で楽しむ、リーズナブルなモータースポーツ、ケイズガレージのキッズカート

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    ケイズガレージ・レーシングカートショップ    技術解説-1-1.過重移動とステアリングワーク

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1.過重移動とステアリングワーク

 カートの基本原理として、加速中は後輪に、減速中は前輪に過重が移動します。同時に、過重が大きいほどタイヤのグリップが上がります。つまり、アクセル・オンの時はリアに過重がかかり、アンダーステア傾向に、ブレーキングの時にはフロントに過重がかかり、オーバーステア傾向に旋回特性が変化する訳です。特に、レーシングカートはリアにデフレンシャル機構を持たないことと、通常の自動車に比べてキャスター角とフロントタイヤのオフセット量が大きく、ステアリングを切ると四輪の過重バランスが崩れて、ステアしたアウト側の前輪か、または、イン側の後輪のどちらかの荷重が抜けた状態になります。通常はこの特性を利用して、コーナーリング前半で前に荷重をかけて、イン・リアタイヤを浮かせる、いわゆる三輪コーナーリングを行うことでスムーズに、かつロスなく旋回しています。このことは、つまり、より理想的なコーナリングのためには、この減速による前への荷重移動とうまくリンクしたステアリングワークが重要です。そして、このことは、キッズカートでもまったく同じです。

 また、コーナリングにおけるキッズカートの特徴として、相対的にエンジンパワーがタイヤのグリップに対して少ないために、プシュアンダーステアを出すと大きなタイムロスにつながるということがあります。
 具体的に言うと、クリッピング・ポイントをすぎて加速体制に入っているのに、まだステアリングを曲がる方向に切った状態だった場合、フロントタイヤの過重が抜けて、ステアリングを切っているのに、フロントタイヤが進行方向にスライドして、加速状態で無い時ほど曲がらなくなり、それが抵抗となって加速が悪くなるのです。特にキッズカートの場合、このフロントタイヤの抵抗が、少ないエンジンパワーを顕著に食ってしまいますので、できるかぎり、プッシュアンダーを出さないコーナリングが必要です。

 にもかかわらず、特に琵琶湖のコースはキッズカートにとっては高速型のコースですので、一般にあまりブレーキを使わす、とにかくアクセル・オンのままでコーナリングをしてしまう傾向があります。そうすると、どうしても、このプッシュアンダーを出してしまい、タイムロスをしていることになります。

 では、どうすればいいか、ということですが、理想的には、クリッピング・ポイントまでにマシンの姿勢変えてしまい、ステアリングを脱出方向に向けてしまうか、場合によっては、リアをほんの少しスライドさせて、かるくカウンターをあてた状態からステアリングを戻しながら4輪ドリフト状態で加速するようにします。そのためには、クリッピング・ポイントまでの減速区間のステアリング、アクセル、ブレーキワークが重要になります。

 まず、最高速近くでフルスロットルのまま抜けられる、1コーナーと4コーナーから先のS字から5コーナーの超高速コーナーでは、ステアリングの切り角が小さいので、ライン取りさえ間違えなければプッシュアンダーの問題は、ほとんど無いと言ってもいいでしょう。
 次にヘアピンの6コーナーや4コーナー、8コーナーのようにコーナー進入の際、減速が必要となるコーナーについては、大抵のドライバーは、減速にあまりブレーキを使わず、アクセルオフの後、ステアリングを切って、初期にアンダーステアを出し、それによるフロントタイヤの抵抗で減速し旋回する、という傾向があります。これでは、減速している時間がかかりタイムロスを生み出すだけでなく、脱出加速の段階でも、エンジン回転が落ちているため、タイムロスとなります。
 こういったタイトコーナーでは、ぎりぎりまでアクセル全開でコーナーへアプローチして、フルブレーキングで減速し、過重がフロントに移動した瞬間に大きめにステアリングを切ります。すると過重がフロントに移動している分、ステアリングの応答が良くなり、リアの過重が抜けていることと、ステアリングのキャスター角の関係から、イン側のリアタイヤがリフト傾向となってスリップしやすくなり、四輪のタイヤのグリップを最大限に使って、オーバーステア気味に旋回をしてクリッピング・ポイントに向かうことができます。この時、アクセルは、ブレーキングと同時に若干戻す程度にとどめて、エンジン回転を維持し、リアタイヤがスライドを始めそうになった状態から、カウンターステアとアクセル調整でクリッピング・ポイントまでにマシンの姿勢を、立ち上がりのラインを直線的にもっていけるように整えておきます。
 こうすることで、減速区間のタイムアップと立ち上がり加速の向上をもたらしますが、タイミングを少しでも間違えるとスピンや大きすぎるテールスライドとカウンターステアにつながりますので、すばやく、かつ適切な操作が重要となります。
 このことは、ジュニアカートでは必須の操作テクニックですが、キッズカートでは、パワーが少なくタイヤのグリップが相対的に大きいため、余計に効果的な要素になりますが、問題は、低年齢のドライバーにどのようにして理解させるか、ということが最もむずかしい問題になってきます。

 また、上記以外の中速度のコーナーでは、減速時には、できるだけスロットルオフで速度調整をするのではなく、メリハリのあるブレーキングとアクセル調整をすることと、大きめのライン取りであまりステアリングを大きく切らずに旋回することで、前述のアンダーステアを出さないようにします。
 比較的大きな中速度のコーナーでは、ブレーキによる過重移動を行わず、コーナー前半で、大きめのステアリングを切ることで、フロントタイヤのステア抵抗によってマシンが減速され過重がフロントに移ることを利用して早めに姿勢を変え、コーナー出口の加速部分でのプッシュアンダーを避ける、ということもできます。この場合は、アクセル・オンのままコーナリングすることになります。

 なお、当然のことですが、これらのことは、路面コンディションや気温によるタイヤのグリップによって変化しますので、その都度、応用できるようにすることが必要です。


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