Skip to Content

親子で楽しむ、リーズナブルなモータースポーツ、ケイズガレージのキッズカート

独自のリース・システムやスクールで気軽にレーシングカートを始められます

    ケイズガレージ・レーシングカートショップ    技術解説-1-6.追い越しテクニック

-CONTENTS-

サイトトップページ

技術解説トップ

6.追い越しテクニック

 キッズカートでのレースや練習中に、前を走るマシンの追い越し(パッシング)についてですが、エンジンに大きな差が無ければ、スリップストリームはほとんど効きませんので、それ以外の通常のレーシング・ドライビングと同様の方法で、つまり、コーナーの前後で抜く、ということになりますが、小さな子供たちにそれをうまく教えるのは、結構大変で、実のところ、子供たちは、実戦で見て覚えてゆく、ということが多いようですが、ここのところは理論と併せてちゃんと教えてあげる必要があります。

 コーナーワークでの、パッシング・テクニックとは、つまるところ、ブレーキング競争と立ち上がり加速で差をつけることの組み合わせです。
 ひとつ目の方法は、コーナーへの飛び込みで、ブレーキングを遅らせるか、または、その前のコーナーからの立ち上がりラインや立ち上がり加速を利用して、クリッピングポイント手前で相手のイン側に並びかけて、相手に通常のクリッピング・ポイントを通らせないようにして抜いてゆく、というのが、基本中の基本です。それを、どこで、どのように実践するか、ということを琵琶湖のコースを例にとってご説明します。

 ひとつめは最も分かりやすいペアピンの6コーナーです。ここは、琵琶湖でも最も強くブレーキを使うところなので、手前の5コーナーの脱出から相手のイン側のラインを取り、レイトブレーキングでインに飛び込む訳です。ただし、うまくやらないと、立ち上がり加速が鈍り、クロスラインで抜き返されます。ブレーキングテクニックと荷重移動によるロスのない3輪コーナリングの腕のみせどころです。もうひとつ、6コーナーを利用した立ち上がり重視のパッシングテクニックとして、6コーナー手前で、相手のテールにぴったりつけ、ターンインを相手よりひと呼吸遅らせ、レコードラインより少し外側からターンインして、クリッピングポイントもレコードラインより奥に取ります。そうすることで、インサイドを警戒してブロックライン気味のラインを取る相手よりも、立ち上がり加速で優位に立てる状態を作っておきます。ただ、そのままでは相手は前にいますので、6コーナーを立ち上がったあと、相手が通常行う、次の7コーナーのアプローチのためにコースの右側へマシンを振った時に、そのまま先ほどの立ち上がり加速を利用して7コーナーのインへ並びかけることができますので、相手にクリッピングを取らせずに、かつ、自分は、多少オーバーアクション気味にステアリングを切ることでステア抵抗で荷重を前に持ってきて、若干テールスライドさせるぐらいで外側の縁石も使って、タイトなラインで7コーナーをクリアして抜き去ります。

 ふたつめは、ライン取りと荷重移動を利用した、最終コーナーから2コーナーまでで前車を抜く方法です。
 まず、最終コーナーでは、少し大きめのラインを取り、ステアリング抵抗による、立ち上がり加速の鈍りを減らします。その結果として、ホームストレートの本来のレコードラインであるコース中央より、少し外側を通るようにして、右後方にマシンをつけて1コーナーへ向かいます。次に、1コーナーは、レコードラインより少し早めにターンインを開始して、クリッピングポイントを少し奥にとりアウトいっぱいまでふくらまないようにします。これがうまくできると、次のストレートでアウトいっぱいのレコードラインを取る前車のインサイド直後につけられます。
 そして、通常はノーブレーキ、アクセル全開でなんとか回れる2コーナーに入っていく訳ですが、その際、前車がターンインし始める前に、2コーナーのクリッピングポイントを、通常より手前に取り、直線的にコーナーへ侵入します。こうすれば、前車の2コーナーのクリッピングポイントで、真横に並ぶことができ、相手のインに飛び込めるはずです。ただ、そのままノーブレーキ、アクセル全開だと、アウトに膨らみすぎて大きすぎるステアリングが必要となり、クロスラインであっさり相手に抜き返されてしまいます。それを防ぐために、この場合のみ、クリッピングポイントあたりで、アクセル全開のまま、極力減速を少なくしつつ、ブレーキで荷重移動を起こし、インリアの荷重を抜いてステアリングに頼らずに2コーナーを回りきります。
 このように、パッシングは、どこか一ヶ所のコーナーで一発で決めるというよりは、抜くコーナーを決め、そこまでのコーナリングの組み立てが重要になってきます。

 他にも、追い越しテクニックはいろいろな場所で、いろいろな方法がありますから、このふたつの例から、ドライバーさんと一緒に考えてみるようにしてください。なお、キッズカートの場合、ジュニアや大人カートに比べて、ドライバーの身長の違いとホイールベースの短さからくる前後重心のバランスの違いが大きく変わりますので、操縦特性も、結構人によって違ってきます。そのことも大きく影響してくることも忘れないでください。つまり、相手とのハンドリング特性の違いによって、また、レコードラインの違いによって、パッシング方法も異なってくる、ということです。

 


  ケイズガレージトップ
Copyright(c)1999- K's Garage, All Rights Reserved.