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   7.EC04系エンジンのこれまでの形式と部品、構造の違い

-CONTENTS-

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1.目的と原則について

2.2ストローク小排気量エンジンの仕組み

3.レギュレーションに則ったEC04のエイジング加工による性能向上について

4.EC04エンジンのリードバルブと混合気の吹き返しよる限界について

5.EC04のキャブレター・セッティングについて

6.EC04系エンジンのCDIと点火の調整について

7.EC04系エンジンのこれまでの形式と部品、構造の違い

8.オイル添加剤等とエンジンオイルについて

 キッズカートに使用されるEC04系の所謂ロビンエンジンですが、最初に供給が開始された時点で、すでに本来の芝刈り機への使用はなくなっており、ごく一部でポンプなどに使用されている以外は、キッズカートとポケバイの専用エンジンとして、富士ロビンが本体を製造を再開して、最初のキッズカートであるレオンK40のメーカーから、専用のキャブレターとマフラーをつけて供給されていました。以降、EC04系エンジンは、小ロット生産の特別なエンジンとして、製造ロットごとに細かい変更を受けながら今日に至っています。ここでは、その変遷について年代順に解説します。


7-1.無印EC04ロビンエンジン

 アミゴン発売以前に富士ロビン製のエンジンとして、レオンK40に付属するものとして、レオンK40のメーカーだった橋本製作所から供給されていました。CDIから出ているキルスイッチへのリード線に接続端子が無く、CDIから直接出ていたこととエアクリーナーの形状が今より小さく、リコイルスターターは一体式でサイドの形式名称が富士ロビンEC04となっていました。クラッチシューは3枚でマフラーが円筒形のものがついていました。また、製造ロットによってシリンダーの掃気、排気ポート形状が変わったこともありエンジンパワーに直結する掃気ポート上部の位置と排気ポートの上部の位置も変わったりしています。もうほとんどありませんが、この時期のシリンダーの側面には一けたの数字が刻印されており、「3」と刻印されているものが、他のものに比べて大きく掃気、排気ポートの位置が異なっていたため、通称3番シリンダーとして、よく回るとされていました。この通称3番シリンダーはレギュレーションで使用が認められていない場合もあります。それ以外では大きな性能上の違いは無かったようです。

7-2.YRCエンジン

 レオンK40の製造メーカーの倒産に起因して、それに代わるキッズカートとしてアミゴンが開発、販売されました。タイヤもこの時に現在のJAAK YDSになり、その際エンジンも、富士ロビンの親会社であるスバルのブランドがつきリコイルスターターの色が青色になりました。あわせて、角形のマフラーになりエアクリーナーも現行のものになりました。シリンダー側面の刻印も「EC04」とされ、以後、マキタエンジンまでは大きな変更はありませんでした。

7-3.EC04EA

 諸事情により、YRCエンジンの供給が2年ほどで終了したことに伴い、供給ルートや実際の製造メーカーが変わりましたが、エンジンの仕様はそのまま受け継がれて、リコイルスターターの色が赤色になりました。リコイルスターターのサイドのプレートには、スバルEC04EAとの表記になりました。この際、CDIも変更されたようで、キルスイッチへのリード線に接続端子がつくようになりました。


7-4.EC04EA2

 EC04EAからの変更は、リコイルスターターが赤色と黒色の分割式になり、フライホイールのリコイルスターターの接続部分の形状が変更になりましたが、点火系には影響はありませんでした。サイドのプレートには、スバルEC04EA2との表記になりました。


7-5.EC04ER

 EC04EA2からの変更点は、リコイルスターターが以前のEC04EAと同じ形式の一体式となり、黒色になりました。この際にCDIが変更されています。この時のCDIはEC04ER2以降のものに比べて大型であり、良く回るとの風評がありましたが、実際には、大きな違いはありませんでした。また、CDIに「27」等の数字が印刷されていたり、部品メーカーらしき刻印のあるものも存在していましたが、形状は全く同じなので、違いは無いと考えられます。サイドのプレートには、EC04ERとの表記になりました。また、一時的に、マフラーが変わり、排出口の径が大きいものが付いていたこともありましたが、すぐに現行のものにもどりました。レギュレーシヨンによっては、この大口径のマフラーを使用禁止にしているところもありますが、大きな差はないようです。
 

7-6.EC04ER2

 EC04ERからの変更点は、また、リコイルスターターとフライホイールがEC04EA2と同じ赤と黒の分割式になり、CDIが若干小型になりました。これも誤った風評ですが、最高回転のリミッター機能がついたという話もありましたが、形状を見る限り、そんな複雑なものをわざわざつけているとは思えません。おそらく、コイルの巻線量が変わったために、点火が多少弱くなり、そのような風評がたったものだと思われます。実際には、EC04系エンジンの点火系の場合、プラグキャップの接続部分がショボいので、そこがボトルネックになっているものと思われます。このCDIを使用しているエンジンでも、前述のエイジング加工を施し、適切なキャブレターセッティングを行った上で、点火プラグをより火花が強いオプションのBPM8Yに変更して、プラグギャップを0.8から1.2mmの間で調整して点火火花を大きくしてやれば、軽く13000rpm近くまでまわり、トルクもちゃんと出ます。また、このエンジンから、クラッチがそれまでの3枚のものから2枚のものに変わりましたが、そのことによる大きな性能変化は無いようです。


7-7.EC04マキタエンジン

 それまで、スバルブランドで、実際の製造メーカーがいろいろ変わり、最後は汎用エンジンの大手であるマキタが製造していましたが、EC04ER2の次に供給され始めたものからはスバルのブランド表示がなくなりEC04とだけ表示され、リコイルスターターが黄色に変わりました。それに伴い、シリンダーの掃気ポートの形状が変わり、掃気ポート下部が少し斜めになり、シリンダー側面にも「makita」の刻印が付いています。ただし、掃気ポートの上面に変化が無かったため、キチンとメンテナンスとセッティングを行えば性能上はそれまでのものと遜色は無いことがわかっています。また、プラグキャップの形状も変わりました。

7-8.EC04EAマキタエンジン

 製造がマキタに移ってから、少ししてから、ブランド表記が「富士ロビンEC04EA」に変わりましたが、内容は、7-7のマキタエンジンと変わっていません。これが現行のエンジンです。

 


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